2011年4月26日火曜日

Internet Explorer 9日本語版を公開

 IE9はまず「高速」をうたう。マルチコアCPUの最適化・全描画処理にGPUを活用するなど、PCのハードウェアリソースを最大減に活用する設計とすることでパフォーマンスの大幅向上を果たした。IE8比で約18倍の高速化を果たしたという新設計のJavaScriptエンジン「Chakra」の採用や、Direct2DとDirectWriteなどDirectXのAPIを活用したGPUアクセラレーションにより、「(他社ブラウザと比べても)一番速い」(日本マイクロソフト コンシューマーWindows本部の溝口宗太郎シニアプロダクトマネージャー)パフォーマンスを発揮するという。
 今後主流になりつつあるHTML5の積極サポート──HTML5 Video/Audioのハードウェア再生支援やHTML5 Canvas、SVGの描画、CSS3の透過処理、Color Profile処理などもGPUアクセラレーションにより実現する。グラフィックスアクセラレーションはハードウェア/ソフトウェア処理を動的に切り替える仕様で、ユーザーは意識することなく利用できる。利用システムに応じてGPUタイプ/ディスプレイドライバ別に判断する仕組みを採用する。ハードウェアの有効活用により消費電力の効率も改善し、バッテリー動作時間も他社ブラウザ比で延長できる性能を備えるという。
 このほか、すでに1000以上のサイトがIE9の新機能──サイトのピン留め(お気に入りサイトをWindowsタスクバーに直接配置できる機能)やジャンプリスト(ログイン機能やリコメンド機能など、サイト独自のメニューを構成して表示するメニュー表示機能)などに対応し、より簡潔・効率化し、かつWindows 7のユーザーインタフェースに最適化した操作体系を用意する。Yahoo!Japanやニワンゴ(ニコニコ動画)など、それぞれのサイトをより利用しやすくするカスタマイズ版IE9の配布も各々行っていく。
 最後に、ユーザーには直接見えにくいが「相互運用性」を実現する点も大きなメリットという。W3CのWeb標準に準拠し、HTML5/CSS3、DOM Level2/Level3、SVG 1.1、ECMAScript(5th Edition)のほか、WebM/H.264のHTML5 Video、AAC/MP3のHTML5 Audioといった標準化が進む映像・音声コーデック、カラープロファイル ICC V4/ICC V2、新たな標準画像フォーマットJPEG XRなどをサポートする。

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