WebM Projectは4月25日(米国時間)、WebM技術に関する特許を相互にライセンスするイニシアチブ「Community Cross-License (CCL)」を発表した。創設メンバーには以下の17の企業・組織が参加している。
AMD、Cisco Systems、Google、HiSilicon Technologies、LG Electronics、Logitech、Matroska、MIPS Technologies、Mozilla Corporation、Opera Software、Pantech、Quanta Computer、Samsung、STMicroelectronics、Texas Instruments、Verisilicon Holdings、Xiph.Org Foundation
WebMは、Web向けに設計されたオープンソースのメディアファイル規格だ。VP8 (ビデオコーデック)、Vorbis (オーディオコーデック)、Matroska (コンテナ)で構成されており、これらのテクノロジは全てBSDライセンスで公開されている。
WebM Projectは、WebMをHTML5仕様の標準動画フォーマットの座に据えようとしている。現在WebビデオとしてH.264が幅広く用いられているが、同フォーマットは権利管理会社のMPEG-LAが所有権を持っているため、ロイヤルティフリーでの利用が不透明。そこでGoogle、Mozilla、Operaなどが昨年5月に、完全無償で使える高品質なメディア形式としてWebMを用意した。しかしながら、WebMが採用するビデオコーデックVP8を分析した専門家がH.264との類似性を指摘しており、WebMがロイヤルティフリーといえるかどうかが議論になっていた。
CCLはWebMに関するクロスライセンス合意であり、これによりWebMを採用する上で特許侵害に直面するリスクが軽減される。ただし、参加メンバーにLG ElectronicsとSamsungが含まれるものの、H.264の特許を保有する企業の参加は一部のみで、WebMの透明性と安心感を高める取り組みとしての効果はまだ限定的だ。"オープンなインターネット"というGoogleが掲げる目標が賛同を得られるか、今後のなりゆきに注目したい。
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